ダーレン・アロノフスキー監督。
前作のレスラーと同じくキャスティングが良いですね。
左前のレスラー役を、同じく落ち目の役者である(失礼)ミッキー・ロークが演じたように、
本作も然り、自分の殻を破りたいバレリーナ役を、同じく清純派の判を押され、
そこからの脱却を図りたい(←勝手な想像です)ナタリーポートマンがそれを演じる。
オデット(白鳥)⇔ニナ(バレリーナ)⇔ポートマンの三重構造になっているわけです。
(ポートマンを知る観客にとっては)
ここら辺上手く考えてますね。
またポートマンもそれに呼応するかのように体を確り作りこんでいますし、
今までにない大胆な演技の連続で、頑張っているなぁと素直に好感を持ちました。
ただ作品的にはスリラーなのかサスペンスなのか人間ドラマなのか良くわからない所が…。
当然ながらストーリーを盛り上げるために様々な事象が存在しているのですが
ラストに完璧なバレエを舞うことによって、全てを流してしまった感があります。
個人的には嫌いな演出ではないですが、
パズル的な面白さがある「シャッターアイランド」みたいな映画ではありません。
それを期待していくと消化不良に陥るかと。
映像はザラッとした質感で、カメラワークも迫力があり好印象。
(前の方に座ると疲れそうです。)
結構面白かったデス。
ナタリー・ポートマンに脱帽。
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