とりあえずこの映画には、
少年愛、男色、強姦、獣姦、女装、人誑し、
と言ったムウには欠かせないであろう構成要素がバッサリと抜け落ちています。
恐らく、そこら辺を原作に忠実に描写してしまったら、映画化が出来なったのでしょうが、
そこを描かず何を描くのかと個人的には思いました。
本作の魅力は結城の魔性其の物の筈です。
結城は自身の肉体と知恵を使いながら、事件を紡いで行くのに、
頭だけを使うのでは片手落ちですし、結城の危うさと言うものが全く伝わってきません。
唯の冷酷な犯罪者に成り下がってしまっています。
そもそも原作が長めなので、映画には向かない気がするのですが、
最初のタイでの犯罪のシーンに尺を割き過ぎですし、
(あのシーンをあんなに丁寧にやっている割に、東京基地でのMW強奪までのシーンは全く描かず)
そもそも、犯罪物としては原作自体のシナリオが相当弱いのに、そちらに重点を置いてしまっていて
肝心の結城と賀来の二人の人間描写が希薄です。
二人の善と悪の葛藤が見所の一つなのに、賀来は単に巻き込まれているだけのよう。
16年前に結城に助けられたと言うだけでは説得力がありません。
(やはり賀来は過去に犯罪を行っていて、結城と自分自身に負い目を感じている設定にしないと)
映像も特に魅力ないです。セットも嘘臭いですし。
正直、いまいち、です(あんまり言いたくないですが)。
日経評価は星二つだったでしょうか。
とは言いつつも、人の好みなんか解りませんので気になる方は劇場へ。
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